ギャラリースタンド

NICE ON 5月号【Vol. 427】


男子プロツアー盛り上がりの鍵を握る2つの組織の行方

試合数減を食い止められるかJGTO(日本ゴルフツアー機構)
青木体制2期目、副会長「石川遼」の発信力に期待大

JGTOは、青木功会長の体制2期目がスタート。
課題は男子ツアーの試合数の減少をいかにして食い止めるかだ。
女子ツアー人気に押され、ギャラリー数も伸び悩んでいる。今回は青木会長、2人の副会長、常務理事、理事15人の計19人での船出だ。1期目より2人増え、青木体制の強化が図られた格好。理論的支柱といわれた大西久光氏は副会長から理事へ、副会長への招聘で注目された尾崎将司氏は今回参画を見送っている。では、今回の目玉はと言うと、なんと言っても選手会会長の石川遼の副会長就任だろう。石川のメディアへの対応力やコメントの発信力は選手会の中でも群を抜いている。
宮里藍と共にゴルフブームを形づくったと言う自負がある、それに自信がある。
米ツアーに参戦し、苦しみ、見聞も広めた。そして、現状の分析力も的を射たものだ。

「試合数が減少したのはスポンサー離れだけではない。その根本を探ることこそ先決」と語り、スポンサーやファンへの感謝の欠如にその原因があるとも言う。またその解決策として、プロアマを土曜日に開催する試合も増えているが、27ホール規模のコースで試合を開催した場合、使用しない9ホールに予選落ちした選手や、女子プロを招きより多くのプロアマを楽しむことだってできる。要はファンの気持ちを掴みスポンサーへのアピールを強化していく方法は探ればいくらでもある。今こそツアーの原点に立つべきとみていることだ。
JGTOの運営の原資は選手たちの年会費(1万円)や得た賞金の3%(昨年実績)など選手が供出する部分も大きいが、最大の収入はトーナメントの公認料。QTのエントリーフィー(選手が負担)も馬鹿にならない。その選手たちを束ねる選手会長が石川遼という立ち位置は発信力を後押ししてくれるはずだ。プレーヤーとの兼務は少々荷が重いかもしれないが、なにか流れを変えてくれそうな気がする。

もうひとつの組織PGA(日本プロゴルフ協会)も倉本体制で3期目のスタート

JGTOとは違いPGAは問題山積みの苦難の船出という印象がある。というのも、会長選出は出席代議員84人で投票、次に理事会の互選で決まるが、今回は代議員投票でやや波乱が見られた。倉本氏52票に対しもう一人の候補者に30票が入ったからだ。2期目が無投票であっただけに余計目立つ結果となった。あるジャーナリストは、「この波乱が政策論争であれば改革の期待も高まるが、どうやら、理事の試合出張費の日当問題など極めて低次元の色が濃い」と眉をひそめる。倉本会長は、組織外での活躍も積極的に行なってきた。第一生命との包括連携協定の締結、PGAの社会的貢献度の高揚、ゴルフアカデミーの練習場にまで拡大させた功績は大きい。

ただ、PGA主催の日本プロゴルフ選手権大会はいまだにスポンサーがついていない、来年度はめどが立っていると言われるが、今年度は持ち出しとなる公算が大きい。シニアツアーは、拡大しているものの解決しなければならない問題は山積みだ。ゴルフファンの拡大、プロツアーの盛り上げなど種まきは多いが花を咲かすにはまだその季節は訪れていない。
JGTO、PGA共にファンの醸成に羅針盤を合わせてもらいたい。かつてAON時代でブームを形づくったように魅力あるツアーに流れを変えてもらいたい。
ゴルフ界は女子ツアーだけでなく、男子ツアーが面白くなければ盛りあがらない。
それぞれの組織のリーダーの力量発揮に期待する向きも多い。

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