太陽精工株式会社 代表取締役社長

山下 貴嗣さん
Takashi Yamashita

NICE ON 11月号【Vol. 421】

今回のゲストは特殊ネジのエキスパートとして約60年の歴史を持つ、太陽精工株式会社代表取締役社長 山下貴嗣さんです。主に高級自転車用の部品やネジ類、車載用の特殊ネジ、コンピュータ用精密ネジ類の製造などに関わっておられ、部品は小さくとも日本の主力産業にとっては不可欠な存在といえます。製品のすべてが顧客からの要望に沿って作られる完全オーダーメイドで、その責任感は計り知れません。趣味のゴルフが仕事の緊張感を和らげるための恰好の気分転換となっておられるようです。

取材日:2017年10月23日/場所:太陽精工株式会社


お仕事のこと

御社の事業内容についてお聞かせください。

山下 高級自転車や自動車、航空機、コンピュータなどに使われる特殊ネジ・ボルトなどの企画・製造をさせていただいております。

特殊ネジとは私たちが日ごろ目にするものとはどのあたりが違うのでしょうか?

山下 弊社で製造している製品は例えばホームセンターなどで販売されている、規格品といわれる一般的なネジとは違って複雑で奇妙な形状のものばかりです(笑)。私どもが作らせていただいているのはまったくオーダーメイドの製品で、お客様から頂いた図面に応じて金型を起こし、主に我々が60年近くにわたって磨き上げてきた「冷間圧造加工」「転造加工」という特殊技術を用いて製造しています。

ちょっと難しい言葉が出てきましたね(笑)。具体的にはどのような加工方法になるのでしょうか?

山下 金属加工の方法は大きく分けて3パターンあります。刃物などで削って形状を作る切削加工、金属を溶かして型にはめ込む鋳造加工、そして金属を押したり曲げたり引っ張ったりして希望の形状に変形させる塑性加工です。私どもの主な加工方法はこの塑性加工の一種で、強度が高く材料のロスが少ないためコストダウンにもつながります。

それこそ現代はあらゆるものが多種多様化しているので、顧客の要望に応えるというのは難しいことではないでしょうか?

山下 そうですね。完全オリジナルな商品となりますので、お客様とのきずなも太くなりますが、信頼関係を損なわないようにするために責任も非常に重大になってきます。ただ、私どもは「高機能、高品質の製品をタイムリーにお客様に提供すること」をミッションとして「お役立ち」の精神で顧客満足の向上に日々励んでおりますので、かえってそれがやりがいとなっています。例えば私どものお客様で株式会社シマノさんという自転車部品メーカーがありますが、そこで取り扱っておられるセット価格で20万円以上の自転車に使われるボルトや締結部品を私どもで作らせていただいております。ただ、これくらい高額になりますと趣味の度合いがかなり高くなってくるんです(笑)。自動車などと違って自転車のボルトは外からも見えてしまうため非常に外観的な見栄えの良さも要求されるわけです。工業製品でありながら匠の技も必要になってくるというわけです。

ひとくちにネジと申しましても、本当に奥が深いのですね。先ほどコンピュータに使われるネジとおっしゃっておられましたが、どのあたりに使われるものなのでしょうか?

山下 コンピュータも自動車などと同様、組み立て製品で、様々な半導体とか基盤などを取り付ける作業があります。ただ、そこに使われているネジは自動車などとはサイズ感が全く違います。大体1㎜程度の精密なものが多く、それがパソコンの中におよそ500本程度使われていると思います。

特にパソコンなどは精密さが要求されると思いますので、非常に神経を研ぎ澄まして作業を進められる必要がありそうですね。
ところで御社のホームページを拝見しますと中国にも工場をお持ちだそうですね。

山下 はい。主に現地の日系ユーザー様に販売させていただいています。また、私どもの顧客の中国進出時の受け皿としての役割も担っております。

中国での商売に関しては素人考えですが、様々なご苦労もあると想像させられますが、そのあたりはいかがでしょうか?

山下 やはり日本と違って、きっちりとした契約に基づいて仕事を進行していかないと意外な落とし穴が待っていることもありますので、気が抜けませんね。

それでも、日本のものづくりの技術の需要は高いのではないでしょうか。今後ますますのグローバルな広がりを期待しております。

■特殊締結部品
回り止め、緩み止めなど多機能なネジ
■チタン合金部品
軽量化、耐食性に非常に優れたネジ
■特殊形状部品
協力工場のサポートで複雑形状も実現

ゴルフライフについて

それでは、ここからは山下社長のゴルフライフについてお伺いします。ゴルフを始められたのはいつ頃でしょうか?

山下 30歳前後でしたでしょうか。

きっかけをお聞かせください。

山下 当時、私は総合商社に勤めておりましてちょうどバブルの時期ということもあり、ゴルフを覚えておかないと営業ができないと上司に言われ、始めたというのがきっかでです。

初ラウンドの思い出などはおありでしょうか?

山下 初ラウンドは120とそこそこのスコアで回ることができまして、「初めてにしてはなかなかできるやないか」と上司にも言われたものですから、「あ、ゴルフってこんなもんなんや」と甘く見てしまったのが間違いでした(笑)。それからしばらくはなかなか上達しませんでした。

現在はどのくらいのペースでラウンドされておられますか?

山下 昨年くらいからラウンド数が増えてきていて、9〜11月のハイシーズンですと月4回程度は行っているんじゃないでしょうか?

どなたとラウンドされることが多いのでしょうか?

山下 同業者の方や組合関係の方、銀行関係の方々が多いですね。それから、高校時代の同級生とも月1回定期的に集まってますね。彼らとのラウンドはとても気が楽でワイワイ、ガヤガヤと童心に帰って(笑)、楽しんでいます。

2017年4月15日「TB会」にて 於:紀伊高原ゴルフクラブ

会社でコンペなどを開催されることはおありですか?

山下 特にはやっておりませんが、今年11月18日に弊社の創立60周年記念コンペを開催します。今まで私どもを支えていただいた感謝の意味合いも込めまして、仕入れ先様などに参加いただいて10組程度のコンペになる予定です。

それは結構なことですね。ぜひ定期的に開催されてはいかがでしょうか(笑)。
ゴルフを始められてどのようなことがよかったなと思われますか?

山下 やはりストレス発散とか気分転換になりますよね。少々ショットが悪くても(笑)、大自然の中でプレーするのはとても気持ちがよくて、癒されます。また、一日ゴルフをすることによって、親しくなりやすいので人とのコミュニケーションにもとても役立つような気がします。

社長は様々なコースでラウンドされていると思いますが、今までで印象に残っておられるゴルフ場があればお聞かせください。

山下 ザ・サイプレスゴルフクラブです。コースとコースの間も林でびしっとセパレートされていますし、とてもゆっくりとラウンドできました。カートがなくて最初はちょっとどうかな、と思っていたのですが自然の中を歩いていくうちに、違う世界にいるのではないかと思わせられるほどでしたね。まるでそこだけ時間がゆっくりと流れているような感覚でした。もちろんメンテナンスも抜群でしたよ。

とても重厚な雰囲気のゴルフ場ですものね。海外のゴルフ場でお好きなところはございますか?

山下 名前は忘れてしまいましたが、インドネシアのビンタン島というところにあるゴルフ場が印象に残っています。まるで動物園に迷い込んだような感じで、猿やワニ、蛇なんかも出てきました(笑)。自然のよさをそのまま利用した面白いゴルフ場でした。

海外には思いもよらないゴルフ場がありますね(笑)。様々なゴルフ場へ出かけておられるご様子ですが、今までのベストスコアをお聞かせください。

山下 オレンジシガカントリークラブで88を出したことがあります。

お得意のクラブだとかお好きなクラブはおありですか?

山下 特にこれといったものはありませんが、ドライバーで会心の当たりが出た時には気持ちがいいですね。

会心の当たりが条件ですね(笑)。ゴルフをされるときのこだわりなどはおありでしょうか?

山下 あまりないですね。逆に堅苦しいゴルフ場はあまり好きではなくて、カジュアルな服装でもある程度大目に見てもらえるところはいいですね。

沖縄カントリークラブにて

海外のゴルフ場などは結構大らかなところも多いと聞いています。
ところで社長は現在どちらかのゴルフ場のメンバーでいらっしゃいますか?

山下 蒲生ゴルフ倶楽部の会員です。でも、最近はあまり行っていませんね。やはりゴルフ場で友人を作らなければ足が遠のきますね。

最近はご友人同士で一緒に入会される方も多いようですね。

山下 それは望ましい形ですね。そうすれば、誘い合って行きやすくなりますよね。友人と3〜4人で一緒に入会すると団体割引なんかあるといいですね(笑)。

社長はお仕事にゴルフにと大変お忙しそうにお見受けいたしますが、健康法であるとか健康維持のために日頃心がけておられることがあればお聞かせください。

山下 3か月くらい前から週2回程度、5㎞〜6㎞ほど走って、それと合わせて筋トレなどをやっています。実は最近太ってきたもので(笑)、ダイエットもかねてです。その成果が出て、3㎏ほど体重を落とすことができました。かなりおなか周りに肉がついていたんですが(笑)、すっきりしてきました。

ランニングなどは手軽にできるので、長続きしそうですね。

山下 とにかく足腰を鍛えて、年齢を重ねても好きなゴルフが長く続けられるようにしたいんです。

最後になりましたが社長の今後の目標や座右の銘がありましたらお聞かせください。

山下 自分の中で常に心掛けていることばが、「着眼大局、着手小局」ということです。まずは、全体を眺め大きな方向性を定めて、そこから具体的な行動に落とし込み、実践していくということです。

本日はありがとうございました。

太陽精工株式会社
http://www.taiyoseiko.co.jp/
代表取締役社長  山下 貴嗣さん

Profile
京都市南区在住
1965年(昭和40年)11月7日生まれ 満52歳
●ゴルフ歴  約20年
●所属コース 蒲生ゴルフ倶楽部 瑞穂ゴルフ倶楽部
●ハンディ  25(蒲生ゴルフ倶楽部)

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