ギャラリースタンド

NICE ON 8月号【Vol. 418】


女子プロ加熱の中、後半戦に向けて「ニューヒロイン」候補を探そう!

国内女子ツアーは、オープンウィークを経て、いよいよ後半戦に入る。3月の開幕戦から前半戦を折り返した時点でのデータから注目選手たちの戦いぶりと後半戦への展望をまとめてみよう。
賞金ランキングのトップを走るのは、キム ハヌル。2015年から日本ツアーに本格参戦しているが、実力は戦跡が示すとおり。15年1勝、16年は2勝、そして今年はすでに3勝をあげており、初の賞金女王も決して夢ではない。日本の風土やプレー環境にも馴染んできたのか、笑顔が眩しい。賞金女王については、多くを語らないものの、秘めた思いはプレー振りから窺える。
このレースに食らいつくのが2位にランクインする鈴木 愛。今期は14試合に出場して優勝2回、トップ10入りが8回とその地力は証明済み。平均ストロークは、70.7234でランク2位。「追いかけるほうが性に合っている」と話す目に一騎打ちへの闘志を潜ませる。賞金ランク3位のイ ミニョンとは賞金額が大きく離れているため2人の意地のぶつかり合いから目が離せない。

上位ランクにいるのは、実力のある選手たちだが、半面、なじみのない選手の名も見ることができる。その一人は15位の武尾咲希。15,16年はQTランキングからレギュラーツアーに参戦。シードこそ獲得できてないが今年はトップ10入りが6回あり、見違えるような成長振りは注視したい。リカバリー率、フェアウェイキープ率に加えアプローチに磨きがかかれば後半戦は、ランキング上位進出と初優勝も夢ではない。昨年ファイナルQTをトップ通過した三ヶ島かなもそのひとり。予選落ちを繰り返すもめげず、奮起一番。今年はシード当確圏内、初優勝すれば一気に花咲く逸材だ。アマチュア時代にナショナルチームの経験を持つ岡山絵里。実力は申し分なく、4試合連続でのトップ10入りが証明している。初日は良いが、2日目、3日目に崩れる傾向がある。これを解消できれば抜け出す可能性も。初優勝が変わり身になりそう。小学校3年の時に宮里藍のプレーを見てプロになりたいと思ったという新海美優にも注目したい。17試合中、予選落ちは2回だけと安定感が出てきた。ニチレイレディスは2位Tだったが、光るものがみられた。

このほか、今期日本ツアー初参戦のイ ミニョンはダークホースの存在。優勝2回トップ10入り9回は鈴木 愛を上回っている。賞金ランキング3位だが後半戦も優勝争いに絡むシーンが多く見られそうだ。ヨネックスレディスで初優勝した青木瀬令奈にも勢いが感じられる。また、注目したいのが父・良兼譲りのポテンシャルの高さを持つ川岸史果。トップ10入り6回でランキングは10位だ。優勝のシーンが見られる日も近いだろう。
未来のヒロインは多いが、安田彩乃は来年のツアー出場権獲得へ。今季レギュラーツアーに参戦の経験を生かしてもらいたいものだ。
プロツアーの人気度は、ゴルフ界の好・不調のバロメーター。特に女子ツアーは新規参加を握る原動力だ。宮里藍に続く、ニューヒロインの出現が待たれるところだ。
(記録は2017年7月9日現在)

■ 登録・解除フォーム

ご登録されたいE-mailアドレスを入力し、ご希望の項目ボタンを押してください。